この記事でわかること
- 設計士が自宅リノベで優先した3つのポイント
- 洗濯動線を解決するファミリークローゼットの考え方
- トイレの向きと引き戸が育児・介護に効果的な理由
- 部屋数より空間の質を優先する間取りの判断基準
- プロでも起きたリノベの失敗談と対処法
はじめまして、さやひなです。 ハウスメーカーで12年間、注文住宅の設計をしていました。
毎日お客様の「こんな暮らしがしたい」という夢を間取りに落とし込んできた私が、いざ自分のマンションをリノベするとなったら…お客様の気持ちが分かりました(笑)
設計士だからこそ「ここは絶対に譲れない」というポイントがはっきりしていて、限られた予算の中でも優先順位を明確にしてリノベに臨みました。
今回はその中から特にこだわった3つのポイントをご紹介します。失敗談も正直にお伝えしますので、リノベや注文住宅を検討中の方にもきっと参考になると思います。
こだわり① ファミリークローゼットの場所|洗濯動線を解決する間取りの考え方
洗濯動線の「あるある悩み」
洗濯物をリビングで畳んでいませんか?
これ、ほとんどのご家庭がそうだと思います。洗面所で洗って干して、取り込んでリビングへ。畳んだあと各部屋のクローゼットへ運ぶ……この動線、地味に時間も体力も消耗しますよね。最近ではSNSでみかけるランドリールームで完結されることも増えてきたのかもしれませんが、まだ標準的な間取りの多くではそうはなっていませんよね。
私が住んでいたマンションも洗面所は1.5畳ほどの典型的な間取りでした。洗面台・洗濯機・脱衣スペースがぎゅっと詰まった空間で、洗濯物をリビングで畳むのは避けられない状況でした。
リビングにファミリークローゼットを作った理由
リビングで畳んだその場で仕舞えるクローゼットを作ろう。
これが私の出した答えでした。
さらにもう一つこだわったのが寝室とのウォークスルー動線です。
朝起きて寝室からリビングへ来たとき、そのままクローゼットで着替えができます。冬場はリビングの暖かさを使って着替えられるので、これが想像以上に快適でした。実際に住んでみて初めて実感したメリットです。
設計士が考えるファミリークローゼットの理想の位置
洗面所(洗う)→ リビング(畳む)→ クローゼット(仕舞う)→ 寝室(起きる・着替える)
この動線が一直線になることで、洗濯にまつわるストレスが大幅に減ります。
注文住宅やリノベを検討中の方は、クローゼットの位置を「収納量」だけで決めるのではなく、洗濯動線とセットで考えることをおすすめします。
ファミリークローゼットの間取りパターンについて詳しくはこちら→後日投稿!
賃貸でファミクロがない場合の収納アイデアはこちら→後日投稿!
こだわり② トイレの向きを変えて引き戸に【段差という失敗談あり】
なぜトイレの向きを変えたのか
マンションのトイレって、廊下から正面に入る縦長の間取りがほとんどですよね。
私はこれをどうしても横向きの引き戸に変えたかったんです。
理由は明確で子供のトイレの見守りのためです。
小さなお子さんのトイレサポートをしたことがある方ならわかると思うのですが、正面からドアを開けると介助がしにくいだけじゃなくて、ドアが開けっぱなしになって廊下が通れなくなったりします。横から導線だと引戸で廊下に干渉しにくいので、ストレスなくサポートできます。
また、将来的な介護のことを考えても引き戸×横入りは正解だと思っています。介助者が横に立てるスペースが確保できるからです。
一般的な引き戸のメリット
- 開け閉めの際に前後のスペースが不要
- 介助者が横に立ちやすい
- 車椅子での出入りもしやすい
失敗談:廊下にできる段差をもう少し工夫したかった
ただし、ここで正直な失敗談があります。
トイレを移動するということは配管も移動するということ。配管を伸ばした結果、廊下に段差ができてしまいました。
設計士として新築では配管による段差が出るなんてあり得ないですが、リノベーションとなると場合によっては活用する場合があります。ただ、キッチンだけとか、洗面所だけとかがほとんどですが廊下の一部分だけに段差が出来たのでもっとできたはず…(苦笑)
それでも引き戸×横入りにしたことへの後悔はゼロです。生活するのは基本的に家族だけですし、センサーライトで段差を見やすくした事もよかったです。
トイレの引き戸と向きについて詳しくはこちら→後日投稿!
こだわり③ 3LDKをあえて2LDKにした理由|部屋数より空間の質を優先する考え方
「部屋は多い方がいい」は本当か?
リノベを検討するとき「部屋数は多い方がいい」と思いませんか?
私はリノベのときに迷わず3LDKを2LDKにしました。
リビング横にあった1部屋を、ウォークインクローゼット・トイレ・リビング収納・畳スペースに細かく分配する案もありました。でも最終的にはそれをやめて、フローリングのままリビングの広い空間として使うことにしました。
決め手は「子供の成長に合わせた柔軟性」
畳スペースにしてしまうと使い方が固定されてしまいます。フローリングであれば暮らしの変化に対応できます。
実際の活用例:
- 子供が小さいうち → 大きなおもちゃを置いて遊ぶスペースに
- 小学生になったら → 壁面に学習デスクを置いて勉強スペースに
- 将来的には → テレワークスペースや趣味の部屋に
設計士が考える「部屋数より空間の質」という判断基準
部屋を増やすことで一部屋一部屋が狭くなり、結果的に使いにくくなるケースは注文住宅の設計でもよく見られます。
広くて自由度の高い空間ひとつの方が、狭い部屋がいくつかあるより暮らしやすいことがあります。特に小さなお子さんがいるご家庭には、この考え方をぜひ参考にしていただきたいです。
まとめ|設計士がリノベで優先した3つの視点
| こだわり | ポイント | キーワード |
|---|---|---|
| ① ファミクロの位置 | 洗濯動線とウォークスルーで家事ラクに | 動線・収納 |
| ② トイレの向きと引き戸 | 育児・介護を見据えた設計(失敗談あり) | 引き戸・バリアフリー |
| ③ 3LDK→2LDK | 部屋数より空間の質と柔軟性を優先 | 間取り・子育て |
設計士として12年間、多くの間取りに関わってきた経験が、自分の家づくりで一番活きた瞬間でした。
「こうしたい」という理想(憧れ)と「現実的にできること」のバランスを取りながら、後悔のない家づくりをしていただけたら嬉しいです。
ぜひ参考にしてくださいね。
著者:さやひな 二級建築士・インテリアコーディネーター資格保有。ハウスメーカーにて12年間注文住宅の設計に従事。 家事は得意じゃないズボラ系女設計士。ズボラだからこそ「いかに楽に動けるか」の動線と収納にとことんこだわってきました。手抜きは手″間“抜き。ゆるっと暮らしを一緒に楽しみましょう!